深田恭子さんがなったことで広く知られることになった適応障害。
それって何なん?って思う方のために私が1年間適応障害になった経験について書いてみようと思います。
適応障害にはなりやすい人もいるとは思いますが多くは「周りの環境」に大きく影響されるものです。
私自身、私がそんなふうになるとは全く考えたことはなかったので、適応障害は本当に誰でもなりうる精神疾患だと思います。
ちなみに結論からいうと、適応障害の解決法は
ストレスの根本から離れること
これです。これしかありません。
ということで、適応障害になりやすいタイミング・なりやすい人・症状・適応障害の人への接し方・解決策を順に書いていきます。
適応障害になりやすいタイミング
引っ越し、転職・異動、入学・転校・クラス替え、離婚などが原因になっているケースが多いのですが、結婚や子どもの誕生、昇進などポジティブな出来事によって起こることもあります。
練馬駅前メンタルクリニックHP より引用 https://www.nerima-mental.com/adjustment/
自分をとりかこむ境遇や環境が大きく変化するときになりやすいと言われています。
私が適応障害になったのは正しく結婚に伴う引っ越しをして、転職をしたときだったので完全に適応障害になりやすいタイミングでしたね笑
これに追加で義実家とのいざこざとパワハラがありました。
適応障害になりやすい人
物事を徹底的にやりたい
仕事に打ち込むことで周りといい関係を作りたい
責任感のある方だ
生真面目で几帳面で融通がきかない
人から頼まれるとノーと言えない
他人からの評価が気になる
自分より周りを優先してしまう
繊細で敏感なタイプ
人の気持ちや周囲の状況を上手くつかめない(空気を読むのが苦手)
パークサイド日比谷クリニックHPより引用 https://www.parkside-hibiya.com/column/tekiou.html
上記のような人が適応障害になりやすいと言われています。が、しかし個人的に私自身が当てはまらない部分もあったりします。
私の性格(参考までに)
参考までに私の性格を挙げてみると、
- 楽天的
- のんびり
- 人見知りしない
- あまり他人に興味がない
- 人と居ると楽しませようと努めるタイプ
- 他人からの印象は「明るい人」「人懐っこい人」
- 座右の銘は「ハクナマタタ(なんとかなるさ)」笑
といった感じで神経質とは真逆ですし、完璧主義者でもありません。
どちらかというとそこまで病むことは少なそうなタイプに思える楽天的な私でさえ地の底まで落ち込むことになったのでやっぱり適応障害はなりやすい人に限らず誰でもなりうると思います。
私が思うに、その場に適応しようと無理をしてしまう人がかなりなりやすいと思います。
これまで転職の回数も多い方で留学経験もあったりしたので、周りの環境が変わることは慣れっこでむしろ新しい環境に飛び込むのが好きな方でした。
新天地でも数ヶ月もすればまるで何年もそこにいたかのごとく馴染むことが多かったです。
今まで適応能力が高いと思っていたからこそ余計に「自分なら大丈夫、馴染める」と過信してしまい馴染めない現実とのギャップが落ち込みを加速させたのかなと分析しています。
こういうところで、上手くいかなくても「しーらねっ!」と思えたなら多少はマシだったのかもしれません。
周りからの期待に応えなければ!と無理をしてしまう人は発症しやすい
適応障害の症状
適応障害の症状は
○不安症状を中心とする状態
不安、恐怖感、焦燥感などと、それに伴う動悸、吐き気などの身体症状○うつ症状を中心とする状態
憂うつ、喪失感、絶望感、涙もろさなど○問題行動を中心とする状態
勤務怠慢、過剰飲酒、ケンカ、無謀な運転などの年齢や社会的役割に不相応
な行動○身体症状を中心とする状態
人形町メンタルクリニックHPから引用 http://www.cocoro-support.com/Adjustment_Disorder.html
頭痛、倦怠感、腰背部痛、感冒様症状、腹痛など
とありますが、これについては本当にその通りでした。
適応障害の症状(私の場合)
緊張状態
ストレス禍では、落ち着く瞬間がなく常に監視されていると思っていました。社内・社外問わず誰かと接しているときは「私に無礼がないか見張られている」と感じていました。
自信喪失
私はどうしようもない人間なんだ。と常に思っていました。
何をするにも「失礼のないようにね」と釘を刺されたり、何かをした後にも「あのとき全員引いてたよ」などと言われていたので、自分は何をしても満足されないし人を嫌な気持ちにさせる人間なんだと思っていました。(通常はどちらかというとポジティブです)
明るい想像ができない
明るい未来が全く想像できませんでした。これまでは何か辛いことがあっても自分で状況を変えていく余裕がありましたがこのときはもう自分の力では何も変えられないし一生不幸が続くと思っていました。
泣き喚く、大声でぶちぎれる
泣き虫な方なので昔からそれなりに泣きますがまぁ大抵はしくしく静かに泣けるじゃないですか、大人だし。でもこのときは自分でもびっくりするくらい大声で泣き喚いてました。
文字にするならワァァァァが一番近いですかね。
いや、濁点をつけてワ゛ァ゛ァ゛ァ!!!って感じですね。
生理前が特に酷くて自分では制御できないくらい荒れ狂ってましたね。よく夫に「なんで味方になってくれないんだぁ!ワ゛ァ゛ァ゛ァ!」って工事現場くらいのデジベルで叫んでましたね。
生理前の情緒の乱れを少しでも軽減するために低容量ピルも飲むようになりました。
物を壊す
ストレスのぶつける先が見つからず破壊欲求がありました。
衝動的に物に当たりたくなる瞬間があり、会社でもゴミ箱を思いっきり蹴ったりトイレのドアを蹴ったりしていました。
普通に今思えば側から見たらヤバいやつ確定ですし、絶対にかかわりたくねぇ〜って感じなのですがそのときは何か物に当たらないと身体の震えが止まらず耐えられないので真顔のまま机の下でゴミ箱をパワー全開蹴ってました。
家でもお皿を床で叩き割ることで一時的にスッキリしようとしていました(特にスッキリはしない)(片付けが大変)
暴飲暴食
食べることしか幸福感を感じることがなく、ほぼ毎日昼も夜も外食していました。スパークリングワインを36本購入したのもその時期ですね。そのせいで半年で12kg太ってしまいました。
悩みが頭から離れない
自分の悩み事が頭から離れず仕事中でも家でも常にYahoo知恵袋などで検索しまくっていました。
解決策を探してるというより同じ悩みを抱えている相談者を見つけて憎しみの感情を共有してる感じでした。
あとは脳内で「こうきたらこう言い返してやる!」みたいな妄想を繰り広げて、問題が起こっていないときも自分で勝手に戦闘を繰り広げていました。
落ち着く瞬間がなく自分でも何やってるんだろうと虚無感に襲われたりして仕事終わり会社に1時間くらい残って泣いたりしてました。(帰ればいいのに)
ツイートが地獄
性格が卑屈になって凶暴化するのか、この頃のSNSの内容が「死ね死ね」だらけになりました。
本来あまりネガティブなことや攻撃的な発言は好まない方なのですが、そんな私が見るだけでも気分の悪くなるような言葉を連投していました。
今思えばあのとき私の言葉たちを毎日のようにTLで読まされていた友人たちに申し訳なく思います。
書いている自分自身もこんなこと書くべきじゃないし振り返って読んでも酷いなと思うのですがそのときは捌け口がなく、そこに綴ることで誰かに慰めてほしい。この辛さを知って欲しいと思っていました。
適応障害の人への接し方
適応障害の人にしてはいけないこと
辛いことに対して「私なら大丈夫」「そんなことは普通」と言うこと
「そんなことは昔は当たり前にあった」とか「覚悟が足りない」と言われて更に気力が失われました。
もしその人にとって大したことのないことだとしても、わざわざ相手に伝えることはやめてほしいと思います。
その人に合ってないアドバイスをする
私の友人には変なアドバイスをする人はいませんでしたが、ストレスの元凶の人に「あなたが言い返さないからいけない」とか「天然を装えばいいのよ」といつも私には到底できないアドバイスをされていました。
適応障害の人はただでさえ試行錯誤を繰り返しそれでも無理で憔悴しきっている状態なので、その人がやり遂げられないようなアドバイスをすることは避けた方がいいです。
そういえばこのことを友人に話したら「それってクソバイスって言うんだよ」と言ってくれて少し救われた記憶があります。
励まされたり奮起されられるようなことを言われること
「泣くんじゃなくて言い返して戦いなさい」
「泣かずにまた一つ賢くなったと思って笑いなさい」
と言われたときはもうこれ以上何かさせようとしないで、と強く思いました。
元気になった今、これを書いていて「確かに甘えと言われても仕方ないかも」と思うくらい適応障害のときは無気力です。
頑張りたくないというよりは、自分なりに頑張って頑張った末に報われなくてなす術が見当たらない状態なので、さらに頑張らせようとされると消えたくなります。
適応障害の人にかけるべき言葉
「無理しないでいいよ」「そのままでいいよ」「やれることだけやったんでいいよ」という言葉に心が安らぎました。
私の場合は、本当の私を見せると恥ずかしい人間だと思われると思い込んでいたので、ありのままの自分でいてもいいと言ってもらえることは救いでした。
適応障害の解決策
ストレスが何なのか整理する
うつ病とは違い、整理しなくても原因は明白なのが適応障害の特徴ではありますが、何によってストレスを感じているのか箇条書きでまとめるのは自分以外の人に気持ちを伝える上で有効でした。
夫ともほぼ喧嘩続きで冷静に話し合うことができなかったので、wordで原稿用紙4枚分書き綴って渡しました。
そこに適応障害とはなんぞということや自分の症状、励まさないで欲しい旨を書いて伝えられたことで夫に私への接し方を少し理解してもらうことができました。
結局のところ、ストレスのもとから距離を置く、断つしか解決策はない
適応障害は結局のところ、原因の根本であるストレスから離れるしか解決策はない。と私は思います。
ストレスから離れると驚くほどに元気になりました。あべこうじ的に言うと「言ってるそばから速攻元気〜」っていうくらいみるみる元気になりました。
今は生理痛もほぼないのでピルも飲んでいません。
適応障害の間によく相談に乗ってもらっていた友人には「憑き物がとれたね」「やっと戻ってきたね」「あのときのてばさきには何を言っても届かなかった」と言われました。
思い出せるだけでも、相談というよりもほぼ罵声のような愚痴を一方的に聞かせていただけだった状態でむしろ私がその子に愚痴ハラスメントをしていたようなもので、それに1年も付き合ってくれた友人には頭が上がりませんし感謝してもしきれません。
振り返ると適応障害になっていた私は、完全に自分自身のことを見失っていたと思います。
自分に何ができて、どんな良いところがあるのかさえも思い出せなかったのです。
まとめ
私は適応障害を経験して、ありのままの自分でいられることの尊さを知りました。
そして、適応障害は
- 誰にでもなる可能性があること
- 自分を見失う恐ろしい状況であること
- 適応障害は甘えではなく、頑張ることに無理をしてしまう人がなってしまうこと
を知っておいてもらえると嬉しいと思います。
長い人生、自分や周りの人が適応障害になってしまうことは全く珍しいことではありません。
そんなときに自分自身やその人にどんな言葉をかけてあげられるかをこれからも考えていきたいと思います。
長い文章を読んでいただき、ありがとうございました。